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ハーモニクス・クッキングの勧め

きくちゆみ (Yumi Kikuchi)
ハーモニクス・クッキングをマスターすると、毎回の食卓がおいしくて、楽しくて、ありがたくって、自分も家族も元気でハッピーになります。みんなでやると、地球も元気にしちゃうことが、可能なんです。

 基本は「身土不二」と「一物全体」
 ハーモニクス・クッキングの基本を簡単にいえば、なるべく近くで採れた旬のもの(身土不二)を、まるごと調理して食べる(一物全体)、ということ。(丸ごと食べてくれるなら、鶏だって、豚だって、牛だってどうぞ。でも、丸ごと食べられないなら、止めたほうがいいよ。)あなたの住んでいるところの近くで育った旬の野菜は、あなたにその気候風土に適応して生きるパワーをくれます。ですから、日本に住む私たちは、なるべく日本で育った食べ物を選ぶように心がけましょう。輸入食品の溢れる今こそ、このことを忘れないで下さい。日本のかぼちゃとブラジルのかぼちゃは同じではありません。沖縄の人が北海道牛乳を飲むのも、不自然です。一番いいのは、自分が食べる分を家庭菜園で育てることですが、都会で土のある環境に住んでいる人は少ないですよね。それなら、鉢植えやプランターででネギやパセリなど簡単なものを育てたり、大豆からもやしを作ってみたりして、少しでも食の自給に近づく工夫をしてみて下さい。

 旬が一番おいしくて、安くて、体にいい
 季節はずれのものは、食べません。レストランでは、冬でも野菜サラダにはレタスやトマトやキュウリというのが定番ですが、これらはどれも体を冷やす夏野菜。それを冬に食べると、寒さに弱い、冷え性の体になってしまいます。その上、旬を無視して育てるには、ビニールハウスと農薬が欠かせません。どちらも環境ホルモンの元凶で、なるべくならこの地球上から減らしたほうが良いものです。そのためには、私たち一人一人が旬を良く知って、しっかり食材を選択することが大切です。

 食べ物の陰と陽
 体を冷やす性質のものを、陰性といいますが、科学的に言うとカリウムの多い食べ物、ということもできます。陰性の野菜は夏に実って、暑さから私たちを守ってくれます。トマト、キュウリ、ピーマン、ナスなど。太陽に向かって伸びるものは、より陰性が強く、果物類は陰性、特にトロピカルフルーツ(バナナ・マンゴー・パパイヤ)は極陰性ですから、日本で食べてると慢性の冷え性になってしまいます。反対に冬には陽性の野菜が採れます。こちらは太陽に反発して土の中へ伸びて、体を温める性質があります。ゴボウ、にんじん、レンコン、大根などの根菜類がこれにあたります。
 昔から「秋ナスは嫁に食わすな」といいますが、これは嫁いびりではなく、体を冷やすナスを寒くなる秋口に食べると、冷え性が原因で不妊症になってしまうので、これを避けるための言い伝えなのです。ジャガイモは土の中にできるので、陽性と勘違いされやすいのですが、ナス科なので陰性であることを覚えて下さい。あとは殆ど例外なく、太陽に近づく性質のもの(果物は高いところに実る)ほどより陰性が強く、太陽から遠ざかって土に深く入っていくものほど陽性と覚えればいいでしょう。同様に熱帯地方で育てつものは陰性、寒帯地方で育つものは陽性です。大根一本をとっても、葉はより陰性、下に行けば行くほどより陽性ということです。陰陽は絶対的なものではなく、相対的な概念です。なんとなく、陰と陽がつかめたでしょうか。
 冬にもほくほくのジャガイモを食べる人は多いですが、味噌や醤油などの陽性の調味料でしっかり味をつけて、食べてください。自然塩は最高の陽性調味料です。陰性の食べ物の性質を変えたいときは、塩味をしっかりつけて食べればOKです。

 陰陽調和の重ね煮と保温調理
 何を食べるかがわかったら、次に大事なのが調理法。ハーモニクスクッキングでは、野菜はたわしでしっかり洗うだけで皮をむきません。節も芯もヒゲネもみんな細かく切って、食べてしまいます。食べ物は全ていのちですから、それを部分的に食べるとエネルギーバランスが悪くなり、体のバランスがかえって崩れてしまうのです。自分で野菜を育ててない人には難しいですが、大根は葉っぱも根も全部食べた方が、本当は良いのです。なるべく丸ごと食べる。すると生ゴミも殆ど出なくなり、ゴミ減らしにも一役買います。
 さて、何種類かの材料を切り揃えたら、今度は陰性の順に鍋に入れていきます。一番下から順に、こんにゃく類、きのこ・海草、果菜(トマト・ナス・ジャガイモ・ウリ類)、葉菜、芋類、根菜、穀物、魚介類、自然塩の順です。ここに出ている全ての材料をそろえる必要はありませんが、火の近くに、より陰性のもの、火の遠くにより陽性のものを入れて、少量の水または煮物の場合は調味料をいれて、ふたをし重ね煮をします。どんな材料でも、沸騰したら弱火から中火で5分ぐらい(材料、切り方次第でもっと短くなる)で火からおろし、二重に折ったバスタオルにくるんで、保温調理します。タオルにくるんで20分経つと、なんともおいしい野菜の煮物が出来上がっているはず。ガスも殆ど使わないので、地球にも優しく、ぐらぐら煮ていないのでそれぞれの風味が最大限に引き出されます。

 本物の調味料を使おう
 メーカを名指しで批判したくはないですが、今スーパーに出回っている塩、味噌、醤油、油は、どれも本物ではなく、添加物も多く、できれば口にいれないものの方が多いです。最近の健康・自然志向で少しは自然塩や無添加味噌も見かけるようにはなりましたけど、まだまだ一般の消費者は大量生産の値段の安いものに飛びついてしまうようです。毎日少しずつ使う調味料は、いのちを支えている(あるいは破壊している)、といっても過言ではありません。少々高くても、塩、醤油、味噌、酢、酒、油を本物に切り替えて下さい。それだけでも、お料理はぐんとおいしくなるし、体調もぐっと良くなります。
 ハーモニクスクッキングで毎日使う調味料は、塩・醤油・味噌と梅酢です。油と酒、お酢はときどき使います。そしてこれ以外の調味料(例えば、みりん、砂糖、マヨネーズ、ケチャップ、ソースなど)は、なるべく使わないようにします。重ね煮と保温調理をマスターすれば、野菜本来の甘みを引き出せるので、甘味料はいらくなります。お酢は陰性の調味料なので、魚など陽性のものと一緒に食べるのはいいですが、もしあなたがベジタリアンだったら、梅酢に変えることをお勧めします。
 これだけでは、何をどう作って良いかわからない、という人には、参考になる本がありますので、手にとってみて下さい。私もこれらの本から沢山学びました。

「わらの料理」船越康弘・かおり著
 本屋では売ってないのでファックス(0866ー48ー3248)へ注文してください。一冊3千円プラス送料
「おいしく、たのしく、ありがたく」船越康弘著・カタツムリ社刊・920円
「うおつか流食生活革命」魚柄仁之助著・講談社刊・1500円
「うおつかの料理帖ー人生、楽しく食べること」魚柄仁之助著・光文社文庫刊・495円
「陰陽と酸・アルカリ」ヘルマン・相原著・正食出版刊
「未来食つぶつぶクッキング」木幡恵・大谷ゆみこ著・メタブレーン刊・2400円
「未来食の野菜クッキング」大谷ゆみこ著・主婦の友社刊・1600円


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